(大斗)

ふと、目を覚ますと、沙奈は可愛い顔をしながら俺の腕に(握っていた)頭を預けスヤスヤと寝ていた。

あ、そっか。俺は過去を話してから泣いて寝てしまったんだった。

俺は、そっと沙奈の頭を持って自分の膝に寝かせた。

しばらくすると

「う~ん。」

そう言いながら、目を開けた。

「あれ?大斗起きたの?」

「うん。ごめんな。寝ちゃって。」

「ううん。大丈夫だよ。それにしても寒いね?」

「そうだな。」

俺は、そう言って自分が着ていた上着を差し出した。

「え?いいよ。大斗が寒くなって風邪引いちゃうよ?」

「大丈夫だよ。俺は。」

「いいの?」

「あぁ。」

「ありがとう。」

俺は、照れくさくなって下を向いた。

このまま、沙奈の顔を見ていると今ここで襲いたくなりそうだったから。

「どうしたの、大斗?顔赤いけど熱でもあるの?」

俺が下を向いていたことに疑問を感じた沙奈が俺の顔を覗いてきた。

だから、俺は沙奈を優しく抱きしめて、

「何でもないよ。大丈夫。」

と伝えた。

そしたら、沙奈は「そっか。」とつぶやいた。

「それにしても、気持ちいいな?」

「うん。連れてきてくれてありがとう。」

「いいえ。楽しかったか?今日一日。」

「うん。すんごく、楽しかった。」

「そっか。よかった。」

「ねぇ、大斗の家族って何人いるの?」

「俺んちは、8人。俺含めてな。農家をやってる
曾祖父と祖父と祖母。中学の数学教師をしてる父親と専業主婦の母と俺とパイロットの弟と医学部へ通ってる妹がいる。」

「そうなんだ。賑やかなお家だね?」

「楽しかったな。沙奈の家は?」

「家は7人。農業をやってるじいちゃんとばあちゃん。獣医師の父と看護師の母。私に中学3年生の妹がいるよ。」

「そうなんだ。」

「うん。弟さんと妹さんの名前は?」