(沙奈)

私は、悠奈に言われて初めて先生に恋したことに気がついた。

「告白してみたら?先生、イケメンだからすぐに誰かの物になっちゃうかもだよ?」

「けどさ・・・振られたら気まずくない?」

「そうかも知れないけど・・・先生が誰かの物になっちゃっても良いの?」

「嫌だ・・・告白する!」

「よく言った!絶対しな?」

「うん!」

「もし付き合えた時に先生へ何かプレゼントする?」

「う~ん・・・。けどさ、振られたらそのプレゼント無駄になっちゃうから付き合えたらにしようかな?」

「そっか。本当に良いんだね?」

「うん・・・。」

「迷いは、無いんだね?」

「うん!迷いは無いよ。」

「そっか。分かった。いつ告白するの?」

「そうだな・・・。あ!せっかく、TDLにいるからここでしようかな?」

「いいかも!けど・・・先生をどうやって呼び出すの?」

「頑張って探してみるよ!」

「わかった!」

その時目の前に先生を発見した。

「せんせーい!お話があるのでちょっと来てもらっても良いですか?」

「あぁ。いいけど・・・。」

私は先生と共に告白すると必ず成功すると言われる場所の前にやってきた。
(※場所は架空です。)

「で?俺に・・・話って何?」

「はい・・・。先生は、生徒と恋することをどう考えていますか?」

「俺は・・・、良いとは思う。けど・・・、たくさんの壁にぶち当たらなきゃいけないと思うんだ。」

「そうですか・・・。」

「あぁ・・・。話ってそれだけか?」

「いえ・・・。本当は、違うことを言いたかったんですが大丈夫です。
急に呼び出したりなんかしてしまってすいません。では・・・失礼します。」

私は先生には脈が無いと思い、悠奈を待たせてる場所へと戻ろうと歩き出した。

しかし・・・。

「待って。俺から、結城に伝えたいことがあるんだ。」

突然、先生に腕をつかまれた。

「私は、聞きたくありません。」

「仮に結城が聞かなくても、俺は話す。」

「勝手にしてください。」

「わかった。結城は、俺なんか眼中に無いと思う。けど・・・、俺は結城が好きなんだ。
結城の笑顔を見てると俺まで笑顔になれる。結城が悲しげだと俺も悲しくなる。教師と生徒ってことで、たくさんの壁があると思う。けど、俺は結城がいないと駄目なんだよ。
だから・・・ずっと俺の隣で、傍で笑っていてくれないか?」

先生は、私の返事を待たずにぎゅっと抱きしめた。

「先生。私のことずっと大事にしてくれますか?」

「もちろんだよ。ずっと、一緒にいるよ。」

「本当ですか?」

「本当だよ。俺は嘘言わない。」

「信じて良いですか?」

あまりの、嬉しさに涙が頬を流れ出した。

「もちろん。」

「では、信じます。先生、大好きです。」

その言葉を聞いた瞬間先生は嬉しそうに、照れくさそうに笑った。

「キス・・・して良い?」

「どうぞ・・・。」

先生は私の唇にそっと、優しい、キスをした。

「俺、結城のこと[沙奈]って呼ぶから、沙奈も敬語無しで俺のこと[大斗]って呼んで?」

「いいの?」

「いいよ。彼女なんだから、当たり前だろ?」

「嬉しい。」