「・・・・んー」
重たい瞼をこすりながら鳴り響く時計を片手で止める。
今日は彼・・響に逢う日だ。
6年ぶりに会う響は、どんなに逞しくなったんだろう。
数日前の電話で聞いた響の声がまだ耳に残っている。
低くて、少し鼻声な特徴的な響の声。
「…準備しないと、」
待ち合わせ場所は響と高校時代よく寄っていた公園で時刻は午後7時。
…よし、気合いだ!
滅多にしない朝風呂をしたり美容院に行ったり・・・・
恋する乙女そのまんまじゃん
何て思いながらも着々と時間は迫っていた。
「…………よし!」
鏡の前で全身を確認する。
濃すぎず薄すぎない気合を入れたメイク
さっき買ったばかりの淡い白のワンピースにパンプス
美容院で整えた髪
全部、全部彼に逢うためだけに。
