『あーあ…くそっ!』
わしゃわしゃと乱暴に頭を掻き回しやり場のない気持ちに近くにあったゴミ箱を蹴る1人の男。
『…いてぇな』
男の瞳には薄らと涙が滲んでいた。
男は重い病気だった。
その病名はつい2週間前診断された…脳腫瘍。
しかも余命宣告まで。
“良くて半年” 瞬間、あいつの顔が浮かんだ。
かれこれもう6年以上会っていない。
彼女と別れ理由は俺の夢をかなえるため。
最後に見たあいつの顔が今でも鮮明に頭に浮かぶ。
涙を浮かべ、必死に笑顔を作るあいつ。
大好きだった。
言葉でなんか表せないほどに。
どうしてあの時、無理にでもあいつを連れていかなかったのだろうと後悔。
自分勝手だと思われてもいい。
ただ当時の俺はそんな勇気なくて彼女の別れを認めるしかできなかった。
ダッセーな、俺。
