Moon【短編】




響の手が私の腕をつかむ。



トクン、トクン…っ




「な、どうし、たの…ははは」




『ご、ごめん。だから、そのさー』




顔を下に俯かせながら首に手をやる響。




この響の癖は恥ずかしい時などの良くやる姿。






急に前にからだをやり空を見上げる。




今夜は黄色い光を放つ月。




そういえば…




ふと、夏目漱石のあの言葉を思い出した。






そんな時だった。





『月が…綺麗ですね』







「へ…?」








それはあまりにも突然のことだった。