『久実、久しぶり___…』



今日、6年ぶりに彼、響<キョウ>から電話があった。



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____……



当時、私と響は付き合っていた。



『…久実、俺さ東京の専門学校行こうと思ってる』



大学受験を控えていたその日の響からの唐突な知らせ。



「・・え?」



『専門学校行って1から色々知りたいんだよ。
親父の後継ぐのにもさ』



響の瞳には迷いなんか一切なくて、


わたしはただ


「…そっか!頑張れよな~。」


ただ、


「じゃあ……さよならだね、」


頷くしか出来なかった。



この時の自分に言ってやりたい



“素直になれ”と。




そう、私はまだ彼のことが忘れられてないのだ。



他の人と付き合ったりもした。



だけど、どうしても頭に思い浮かぶのは響だけで___…



そんな彼から今日、電話がかかってきたのだ。




驚くなんてもんじゃあない。