「俊くん、ありがとうね。もう元気でたから帰って。うつっちゃったらいけないから」
「やだ!!」
即答。子供か!!
「仕事とか家族の人に迷惑かかるし」
笑顔で俊がカオを近づけてくる。
「大丈夫。うつらないし、今日はずっと一緒に居るって決めたの。弱ってるときほど誰かに一緒に居て欲しくない?苦しみを知らん顔されるより大丈夫って苦しみを共有されるほうがうれしいっていうか楽になんない?」
ギュッと心臓を鷲掴みされたようだった。
「うん」
自分の気持ちを読まれたようで恥ずかしくて俊くんの顔を見れず目線をそらしてしまった。
心臓の鼓動が速くなり心臓の音も大きかった。このドキドキは俊に伝わっただろう。この年齢になってこんなにドキドキすることがあることに驚きと幸せを感じていた。
今まで本当の自分ってどれが本当か解らなかった。そんなことより誰かに認めてもらいたい、居場所がほしい。そのためになら多少の我慢は必要だし相手に合わせることも大事だと思っていた。全てが間違っていたとは思わない。でも、俊を見て一緒にいて少しづつ変わりつつある自分を見つけた。これが本当の自分かどうか解らないが好きな自分であることは間違いない。
今の自分を信じてみたくなった。勇気をだして素直に気持ちを出してみよう。
「机の一番上の引き出しをあけて」
「ここ?」
「うん。ブルーのガラス玉と鈴がついた鍵があるでしょ?」
「あ〜これ?」
俊は自分の顔のところまで鍵を上げて可愛くふった。美少年がやると本当に絵になる。
「そう。俊くんも持ってて。ここの合鍵だから。因みにここの合鍵渡すのは初めて」
「ほんとに?本当にいいの?やったー」子供みたいにガッツポーズをして喜ぶ姿に勇気を出してよかったと思った。
