「できたよ。卵粥」
ベットの横にある机に見たことのない小さな土鍋を置いた。
「どうしたの?その土鍋?」
「買ってきた。そんなことより速く食べて速く元気になる。ね」
そう言ってお盆を私の膝の上に置き、おわんに卵粥を入れて渡してくれた。
「ありがとう」っと言いながらレンゲを受け取り食欲はなかったが食べた。
俊が女の子のようにちょっと不安そうな目で私を見てくる。まるでご主人さまを見つめているペットのように。
私は少し間をおいて
「おいしい」っと笑顔を作った。正直、普通においしかった。
俊は大きく息を吐き安心した表情を浮かべた。
私はおかしくて笑ってしまった。
「何で笑うの?」
「えっ、だって凄く心配そうにしててそれを見たらガマンが出来なくなって」
「ひどいなぁ。こっちは人生かけて作ったのに」
「ごめん、ごめん。本当においしいよ。でも人生かけるのは大げさ」
「だって、初めて作ったんだもん。おいしくなくて嫌われたら嫌だし」
ドキっとした。こんなこと言われたの初めてだ。ヤバイ今以上に好きななっちゃう。どうしよう。
横を見るとちょっとすねている俊がいてそんな俊も愛おしかった。
「愛情がたっぷり入ってるのにマズイわけないじゃん。でしょ?」
俊はちょっと照れくさそうに言った。
「たくさん入れた」
二人で笑った。ずっと続きますように。
