怖い、怖い、怖い。


殺意を感じる。


重いからだが嘘みたいに素早く動き、カーテンを閉め、玄関の鍵とチェーンをかけた。


そして、気を使うことも忘れ、すぐにサキに電話をかける。


「もしもしぃ〜どぉ〜したぁ〜」


かなり酔っている!



「接待中?」


「正解!でも大丈夫。助けて欲しくてメールしようと思ってたんだ。テレパシー?」


「確かにテレパシーかも」

サキは普段しっかりしすぎてるせいか酔うとちょっとだらしなくなる。


「どうぉ〜したぁ〜?」


酔っているが記憶を飛ばしたり歩けなくなるほど酔うことはないので一連の事件の内容を話した。


……。


「寝てるの?」


「寝てない。引いてる」


サキが急に真面目に答えた。

「本物のじゃん」


酔いが冷めるぐらいの内容だったらしい。


「お義母さんに気に入ってもらえれば全部まるくおさまるんじゃない?」


「やっぱそれしかないよねぇってできるんなら電話してないよ」


「だよねぇ〜」


他人事だと思ってるな。


「でも、まだ何もしてないんでしょ」


「確かに……」


お義母さんが怒っていて私はただビビって居ただけだ。


「彼は答え出してるんでしょ。好きなら努力はしないとね。後は覚悟だけ」

そうだよね!
俊くんが私を選んでくれていることは鈴ちゃんの話からもはっきりしている。


お義母の評価はマイナスだけど、これ以上評価が下がることはない。やる気が沸いてきた。


サキとの無駄話でパワーをもらった。
答はひとつしかない。
俊くんのことが好き!
前をだけを見て歩こう!