「もしもし」
「よかった。出てくれて」
そんなに急いで別れたいのかな?淋しすぎる。何もかもが上手くいきすぎた代償。
「どうしたの?」
「今、美樹の家に向かってて今から会えない」
「えっ、もう、寝る準備してたからパジャマなんだ……」
「どうしても話したい。」
普段とても優しい口調の俊くんに強く言われた私は驚いて受け入れるしか出来なかった。
「解った……。」
と答えて電話を切った。
家に来る。
着替えないと!
片付けないと!
メイクしてない!
さっきまで別れることを思ってても私は最後までいい女でいたい。
部屋着に着替え直して、取り合えず見られては困るものをクローゼットに押し込んだ。メイクしたいけど今してたら不自然だから髪の毛であまり見えないようにして……。慌ただしさに息が上がる。
(ピンポーン)
速いよ~!
部屋くないかな?
あぁ~仕方ない。
オートロックを解除外し、23時のマンションのエレベータはすぐにつかまり。6階まであっという間。
最後の悪あがきも出来ないまま……。俊くんをお出迎えすることに。
