彼×私×彼女の事情

中庭に感動しつつ席についてしばらくするとシャンパンが運ばれてきた。

「取り合えず乾杯を。再会に乾杯!」

俊くんの照れ臭そうにリードしてくれる姿がカワイイ。こんな幸せな緊張は何年ぶりだろう。ゆっくり過ぎますように。


「あっ、勝手にメニューまで選んでスミマセン。嫌いなものがあったら言って下さい。」

俊くんが優しく言ってくれる。


「ありがとう。好き嫌いないので大丈夫です」

「ここの料理は多国籍料理でイタリアやフランス、スペインや色々と修行されたシェフなんです。シェフオリジナルのメニューがどれも美味しくて一押しなんです。」

俊くんの話通り、料理は最高に美味しかった。前菜はサーモンのサラダやマリネ。パスタは濃厚なクリームパスタ。メインはあっさりとした肉料理、他にも何点か運ばれてきた。

量が多すぎず、色々楽しめてこの店がお気に入りになった。


食べている時の俊くんは本当に幸せそうな顔をしていた。まるで子供のようだった。


デザートはパンナコッタ。フルーツがたくさん散りばめられ目でも楽しめる。


「どっかのグルメリポーターが料理を宝石箱って言ってたけどホントにここは一つ一つが宝石箱を開けた時みたにキラキラしてる。なんでこんな店しってるの?」


気になっていたので聞いてみた。我ながらにナチュラルに聞けたかな?


「以前、連れてきてもらったことがあって何度かくるうちにシェフとも仲良くなって。縁が深いお店なんです」


女?男の人が男の人に紹介する店じゃないよね。これだけカッコいいし性格も噂では真面目。神宮寺が娘と結婚させたがるぐらいなんだからモテテ不思議ではない。そりゃ居るよね……。


「その方、センスがいいのね」


「元スチュワーデスだから昔はモテたんじゃないかな?」


私の恋のライバルは元スチュワーデス。年上か。


「そうなんだ。あっそうだ、これ、ありがとうございました」


自分から聞いといてちょっとショック……。それ以上聞いて決定的な結果になるのも避けたかった。知らない方が幸せってあるよね。今、この幸せを楽しむため話題を変えた。

「どういたしまして」


デザートを食べて傘を返して……。後はコーヒー飲んで終わりだなぁ。


料理を食べながら大学時代の話や医療の話。俊くんが飼っている犬の「ショコラ」
と「ミルク」の話。


本当に幸せな時間だった。願いも悲しくあっというまの時間だった。


俊の顔をふと見るとすごく真面目な顔に変わっていた。