彼×私×彼女の事情

「わーん、わーん。だぁって~わああぁ。りょうほぉうともぉぉぉ、すきになったんだもぉぉぉん。わぁぁぁ。」


号泣しだした。


幼稚園児のように号泣しながら話す。


この瞬間、第一印象で紳士的な人と思った自分が恥ずかしい。


見る目がない私……。


そして周りを見るとサキはもちろん、鈴ちゃんも恵子も驚いた表情。そして引いている。



この人……ホントに外科医だよね?


普段、もっと緊張して泣きたくなる場面あるでしょ。


新堂さんは号泣しながら話を続けた。


要約するとこういうことらしい。



恵子のことは今も変わらず愛している。


鈴ちゃんとは三ヶ月前に見かけて一目惚れ。後に共通の知り合いが居ることが解り、通訳を探していることを話すと彼女を紹介してくれたとのこと。


恵子は自分が守ってあげないといけない。自分を癒してくれる人。運命の人だって思ったらしい。一方、鈴ちゃんは理想の美しさと自分を高めて引っ張ってくれる母のような存在。


恵子は運命の人。この人しかいないと思った瞬間、自分の理想とする運命の人が現れたということらしい。


だから両方ともくらべられない。


両方とも愛してる。


これは真実だから信じて欲しいと。


そして私は新堂さんの号泣にイライラしていた。


「それは解りました。新堂さん日本人ですよね?」


私は号泣する新堂さんに強い口調で言った。


「はわあぁぁい。」


「二股や不倫は犯罪ではないですよ。でもね、許されないことですよ。それなのにあなたは犯罪の領域に入る重婚をしようとしてるんですよ。」


「はわぁぁぁい。しっ知ってまぁぁぁす。わああぁ。」


あぁ~泣き声がイラッとする。


感情が爆発しそうだ!


しかしここは大人にならなきゃ。


ここは我慢我慢。