彼×私×彼女の事情

「どうもどうも~いらっしゃい……。」


そういいながらリビング入ってきた新堂さん。直ぐに鈴ちゃんと目が合い驚いた表情。そりゃ、途中で声も変わる。正しいリアクション。


それに私とサキの表情も厳しい。笑顔だが二人とも目は笑っていない。それどころか怒りで溢れている。


二股には厳しい二人。


「取り敢えず、あなたはここに座って」


恵子に言われるがまま新堂さんは三人とテーブルを挟んで向かい合わせ。


私たちの正面にはソファーが無いため新堂さんは床に座った。


「きょっ、今日はな、なんの集まりですか?じょ、女子会……ですか?」


正座で汗をかきながら話す新堂さん。


恵子も席につき話始める。


「この状況でそんな訳ないでしょ。ちゃんと話してもらうわぁ。」


恵子の穏やかな笑顔……。


恐ろしい。


その笑顔のしたに鬼の顔が見える気がした。


「私とは婚約が成立してると思うけどこれはあってる?」


「はい……。」


「でも、私の聞いた話だとここにいる鈴ちゃんにもプロポーズしたって。どういうこと?」


「はい……。」


「はい……。じゃなくて。答えてちゃんと。」


かわいい笑顔と対照的に声は突き刺さるよう尖っている。


それに対して新堂さんは下を向いたまま答えない。


黙秘権を使うつもり?


この状況で?


「新堂さん……もう、私たちは全部知ってますよ。」


サキは進めようと話した。


だが返事はなし。


静かな部屋に鼻をすする音が響いた。


おぃ、まさか……!