店に着くと電話から漏れていたうるさい音の正体に納得。


お義母さんがいた場所はホストクラブだった。


なんでこんなところに?


店員に事情を説明してテーブルに案内してもらった。そこにはお義母さんとかなり出来上がっている同年代の女性。側には色白で金髪のホスト一人と茶髪の男性が三人いる。三人とも絵にかいたような解りやすいホスト。


「あら、美樹さん。わざわざありがとうね。トオルくん、さっき話した息子の彼女。」


お義母さんは色白で金髪の男性に話しかけた。お気に入りなんだろか?本当はこんな派手なタイプが好きなのかな?


「あぁ~美樹ちゃん!初めまして、トオルです。宜しくね。」


トオルと言うホストは馴れた手つきで名刺を差し出してきた。


「宜しく。」


大人の社交辞令で対応。


お義母さんは何を話したんだろう。
悪口は決定してるか……。


「お義母さん、これですよねえ?」


頼まれものを渡した。


「そうそう、ありがとう。」


受けとるとお義母さんは立ち上がり


「じゃ、帰るわぁ。淋しくなったらまたくるね。」


タクシーを用意してもらった。そして一人で歩くことができないお義母さんの友人を乗せてもらった。


わずか滞在時間15分。


そして耳を疑う言葉が聞こえた。


お義母さんが告げた行き先は我が家。


!!!


何で?


「おっ、お義母さん、お友達は……?」


「こんな状態で送れないわ。彼女今日は一人みたいなの。だから何かあったら私たちのせいよ。今の私の家は美樹さんの家なんだから仕方ないでしょ。」


「はい。」



全く納得いかない。


私の家って……。


俊くんとのこともある。今は大人の我慢。そんな弱味に漬け込まれてる自分が情けない。


イラッとする。


見知らずの酔っぱらいを家に泊めるなんて。いくら大人の我慢をしても全てを隠しきれない。


横並びで座っているため、顔が見えない事だけが幸せだと思おう。


心の中で「遠慮してください。」っと大声で叫んで終わらせた。