彼×私×彼女の事情

お義母さんとは意外にも楽しくショッピングをすることができた。


お義母さんはセンスがいいので勉強になる。自分なら絶対に選ばない服を買うことができた。お気に入りの1枚になりそう。


ある意味これはこれはラッキーなのかもしれない。俊くんはお義母さん好みに育てられている。お義母さんのオススメするものを購入すると俊くん好みの女性になれるかもしれない。そうしたら俊くんにもっと愛される。


そう思うと重い気持ちで始まった買い物も楽しくなってきた。


着物売場の前を通ると浴衣が目に入った。

私は俊くんといく予定の花火大会にきて行きたいと思った。


「浴衣に興味があるの?」

お義母さんが言った。


「大量生産された企画ものはあるんですが、一生着れるような古典柄で生地もきちんとしたものが将来のためにも一着欲しくて。あまり詳しくないのとお値段が高いので……買うきっかけがなくて……」


「意外だわぁ。全く伝統などと言うものに興味がないって思っていたから……。」


「そんなに意外ですか?」


「うん」


即答された。
すごくバカにされている気がする。


「買うきっかけがないって言ってたけど俊と花火大会に行く予定でしょ?買うきっかけあるじゃない」


「そうなんです。自分のお気に入りの……」


私の話を最後まで聞かずにお義母さんは


「そうよね。最初で最後の花火大会になる可能性が高いものに高額は出せないわぁよね。1回来て終わるのもねぇ……それまで続くかも微妙」


ってその笑顔!
こわぁい。冗談には聞こえない。
さっき楽しいって思った時間を返して欲しい。

お義母さんはお義母さんだ。
変わることを期待しちゃいけない。


解っていた真実だったのに……。
悔しい……。


「ほら、ランチいくわぁよ!」


お義母さん……。