「・・・ふーん?俺はあまり甘いモノが得意じゃないから、今一分からんが、そんなに美味いのか?そのダーリンとやらが作ったケーキは。」


「そりゃあもう!」



私は拳を握る代わりにノートを握りしめて強く頷いた。








「なんてのかねっ、エバーの他のケーキみたいに確実なクオリティーってカンジじゃないんだ。だけど、こう、手をガシッと掴まれてグイグイ引っ張られてくようなそんな強引な優しさがあるの!胸がきゅーんとしちゃうの!」









力説する私をじっと見ていた黒瀬クンは徐に溜息を吐いた。




「・・・・ああ。なんとなく先輩の気持ちが理解できる気がした。」


「は!?なんで?何で黒瀬クンが先輩の気持ちわかっちゃうのー?」


「・・・さあな。」


「黒瀬ク~ン・・・」




さっさと歩いて行ってしまう黒瀬クンを縋るように追いかける。













ドキッ。





職員室へ行く途中の昇降口のトコロで、赤松先輩と九条先輩と不良っぽい男子達の集団に出くわした。