ひっ。 ずいっと教室に踏み込んできた男に後退去る。 男はずんずん近づいて来て。 私はずるずる後ろへ下がりあっという間に壁に追い込まれた。 目の前には赤松彼方。 どんっ と頭の横に手を突かれ ―――逃走不可能―っ。 至近距離に赤松彼方の顔。 意志の強い瞳は吸い込まれそうな力があって。 色々な意味で、クラクラして身じろぎ一つ出来なくなる。 てぇ、とぼけてる場合じゃなく! 私殴られるの!? ひぇぇぇ。