「あ、愛しのダーリンよ。」 音楽室へ移動中、杏ちゃんの言葉に私は顔を向けた。 げっ。 先輩喧嘩してる! 相手は学校でも先輩達とは違う派閥の粋がっている男の子達。 五、六人を相手に先輩は一人で。 九条先輩を含めて、よく先輩と一緒にいるのを見かける男の子達は脇に並んで、気ままな野次を飛ばしている。 な、なんで、助けないのー!?