一目散に身体を離した。



まるでドングリを掻っ攫うだけして逃げるリス。




昨日はもっと濃厚なキスしたけど、あんなの、ムリだしっ!

コレが限界デス!






って、ケーキの為にココまで身体を張る私は一体どーなんだって、話なんだけど・・・・。





「や、約束ですよ!ちゃんとシたんだから先輩もちゃんと約束守ってくださいねっ!?」



ささっと逃げる体勢を整えて照れ隠しに吠えると、先輩はふっと笑顔を浮かべた。






「了解!・・・それと、今度はゆっくり食べれるようにもちっと早く来てやンよ。」




青空みたいな眩しい笑顔。







アリエナイでしょ。

赤松彼方の清々しい笑顔とか。







陸に打ち上げられた魚くらい生きが良く跳ねる心臓に戸惑いながら、私は逃げるように屋上を後にした。




顔が熱い。




多分、私、真っ赤だ。