「ちょ、待て、落ちつ・・・・」 「太ったって言ってもホントにちょこっとだもん!こんなの太ったうちに入んないんだからっ!後一日もすれば元に戻る―――」 ようやく目隠しの手をどかして、胡桃と目が合ったのも束の間。 「っ・・・・胡桃!?」 胡桃はいきなり後ろへふらーっと仰け反った。 血の気の失せた顔に、俺こそ血が引きそうになる。 焦った俺は胡桃を担ぎあげて、即行保健室へ走った。 「貧血です」 保健室のベッドにて。 女医の冷やかな宣告に縮こまっている胡桃を、俺も半ば苛立ち気味で睨んだ。