詰め寄るクラスメートに怯えて、赤松先輩にきょどった視線を向ける。




と。


先輩は薄っぺらい学生鞄と一緒に持っていた紙袋をちょいっと揺すって見せた。



・・・・・・・・!!




あれって、『エバーグリーン』の紙袋!!






エバーグリーンってのは、私が一目ぼれしたあのマイスウィートのケーキを置いていたケーキ屋さん。




私は誘蛾灯に吸い寄せられる蛾ほどに単純に、フラフラと赤松先輩に近づいた。



ケーキ。

ケーキィ~・・・



「ふえ?」






後一歩と言うトコロで、いきなり視界が遮られた。