ショーケースを真剣な面持ちで覗きこんでいたその顔が、不意にぱぁっと輝いた。
俺のケーキを見詰めて。
その顔にドクッと胸が鳴った。
「コレッ、下さいっ・・・・」
言われて、ショーケースを覗いた姉貴がうっすらと眉を顰めた。
俺のケーキだって気付いたようだが、今更、売りモンじゃないとは言いだせねーよな。
その子はプレートの値段に「ちょっと高いなぁ・・・」と呟きつつ、姉貴にフォローのように続けた。
「あ、このケーキならこのくらいの価値はありますよね。だからそーいう意味じゃないんですけど・・・度々買いに来るには高いなぁっと。」


