わたしの好きな人は先生です



「吉川先生」


「はい?」


台所でお茶を入れていると、尾瀬先生が声をかけて来た。


「もしかして、まだ昔の彼女さんが忘れられないんですか?」


「えっ!?」


ガッシャン――!


動揺した弾みで、見事カップを割ってしまった。

「先生!大丈夫ですか?」


「大丈夫です!」


尾瀬先生は、慌てて駆け寄り、割れたカップを拾ってくれる。