先生…
先生の事が好きでした
生徒の人気者で、悪のない先生が。子供みたいに無邪気に笑う先生の笑顔が。『おはよう』と言ってくれる先生の声が。
好きなんだと思ってました。あの日までは…

あの日先生はこういった。
泣いても泣いても、溢れでてくる涙を止めることが出来ない私に、あなたはこういった。
『気の毒に…』

他にかける言葉がなかったのだろう。
家族を失った私に、どう接したらいいのかわからなかったのは先生の方だったのかもしれない。情けない姿をさらけ出してる私を哀れんでいたのだろう。

でも私にはこう聞こえたの。
『お前、かわいそうだな』
そう言いながら笑ったあなたの顔が毎晩夢にでてくる。眠れない夜が続いてるのに、それでも毎晩毎晩…
あなたはあの時笑った?
心の中で笑っていたの?

あの日からだ…
あの日から先生は『あの人』になった。