ドアを開けて、麗太君がリビングに入って来た。
麗太君は周りを見回している。
ママがいないからだろう。
「ママなら、高校の頃の友達に会うとか言って、出掛けて行ったよ」
麗太君は頷いて、お菓子の入っている戸棚を開けたが、それを見て溜息を吐く様にして戸を閉めた。
「何かお菓子ある?」
麗太君は首を横に振る。
「そっかぁ……」
「……」
部屋の中が静まる。
暇だ。
お菓子はないし、誰かと遊ぶにしても近場のマミちゃんは日曜日は塾だし。
本当に暇だ。
ソファーから半身を少しだけ浮かして伸びをした時、テーブルの上のメモ用紙がチラッと見えた。
それは、見てくださいとでも言わんばかりの位置に置いてある。
そういえば麗太君は……
今度は冷蔵庫を物色している。
「見ちゃえ」
ソファから体を起こしテーブルへ寄る。
裏返しになっているメモ用紙を手に取り、書いてあるものを見た。
丁寧に書かれた地図だ。
おそらく、家の裏を真っ直ぐに進んだ小さな通りだろう。
そこは大通りから大分離れていて、さらに特に立ち寄る目的もないので、そこには行った事がなかった。
端の一軒に赤いペンで二重丸が記されている。
「どこだろう……ここ」
「麗太君、ちょっと来て」
もしかしたら分かるかもしれないので、麗太君にも聞いてみる。
「ここ、どこだか分かる?」
麗太君は常に携帯しているシャーペンで、メモ用紙にそれを書いた。
『駄菓子屋』
「え? 駄菓子屋?」
麗太君は頷く。
麗太君は周りを見回している。
ママがいないからだろう。
「ママなら、高校の頃の友達に会うとか言って、出掛けて行ったよ」
麗太君は頷いて、お菓子の入っている戸棚を開けたが、それを見て溜息を吐く様にして戸を閉めた。
「何かお菓子ある?」
麗太君は首を横に振る。
「そっかぁ……」
「……」
部屋の中が静まる。
暇だ。
お菓子はないし、誰かと遊ぶにしても近場のマミちゃんは日曜日は塾だし。
本当に暇だ。
ソファーから半身を少しだけ浮かして伸びをした時、テーブルの上のメモ用紙がチラッと見えた。
それは、見てくださいとでも言わんばかりの位置に置いてある。
そういえば麗太君は……
今度は冷蔵庫を物色している。
「見ちゃえ」
ソファから体を起こしテーブルへ寄る。
裏返しになっているメモ用紙を手に取り、書いてあるものを見た。
丁寧に書かれた地図だ。
おそらく、家の裏を真っ直ぐに進んだ小さな通りだろう。
そこは大通りから大分離れていて、さらに特に立ち寄る目的もないので、そこには行った事がなかった。
端の一軒に赤いペンで二重丸が記されている。
「どこだろう……ここ」
「麗太君、ちょっと来て」
もしかしたら分かるかもしれないので、麗太君にも聞いてみる。
「ここ、どこだか分かる?」
麗太君は常に携帯しているシャーペンで、メモ用紙にそれを書いた。
『駄菓子屋』
「え? 駄菓子屋?」
麗太君は頷く。

