「由美ちゃんは怖くないの?」
「こういうのには慣れてるもん。もっと怖い話も知ってるし。聞きたい?」
全力で首を横に振った。
「それにね、今日はもうすぐお母さんが迎えに来てくれて、塾まで送ってくれるから、とりあえずは口裂け女に会う事もないしね」
「いいなぁー、由美ちゃんは」
私の家の車は、パパが出張先に乗って行ってしまった為、今はない。
でも、こんな噂話を本気で怖がって親を呼ぶなんて、小学五年生としては恥ずかしい。
それにまだ五時ちょっと前だ。
春の最初というだけあって、まだ陽は僅かに出ている。
帰るのなら今だろう。
「マミちゃん、そろそろ帰ろうか?」
「うん。今、私も帰ろうと思ってた」
由美ちゃんは、「口裂け女に食べられないようにね」と私達をからかいつつも、学校の少し外まで見送ってくれた。
先程よりも陽は沈み、辺りは薄暗くなっている。
たしか由美ちゃんは、口裂け女が出るのは住宅街や公園だと言っていた。
まさか本当に出て来るとは思っていないのだが……どうしても先程の話を意識してしまう。
商店街を抜け住宅街へ入ると、道を通る人の数は一層少なくなった。
「こういうのには慣れてるもん。もっと怖い話も知ってるし。聞きたい?」
全力で首を横に振った。
「それにね、今日はもうすぐお母さんが迎えに来てくれて、塾まで送ってくれるから、とりあえずは口裂け女に会う事もないしね」
「いいなぁー、由美ちゃんは」
私の家の車は、パパが出張先に乗って行ってしまった為、今はない。
でも、こんな噂話を本気で怖がって親を呼ぶなんて、小学五年生としては恥ずかしい。
それにまだ五時ちょっと前だ。
春の最初というだけあって、まだ陽は僅かに出ている。
帰るのなら今だろう。
「マミちゃん、そろそろ帰ろうか?」
「うん。今、私も帰ろうと思ってた」
由美ちゃんは、「口裂け女に食べられないようにね」と私達をからかいつつも、学校の少し外まで見送ってくれた。
先程よりも陽は沈み、辺りは薄暗くなっている。
たしか由美ちゃんは、口裂け女が出るのは住宅街や公園だと言っていた。
まさか本当に出て来るとは思っていないのだが……どうしても先程の話を意識してしまう。
商店街を抜け住宅街へ入ると、道を通る人の数は一層少なくなった。

