私はマミちゃんを外まで見送った。
 空はすっかり真っ赤な夕焼け色に染まり、遠くの方の空から見えるオレンジ色の陽が、とても綺麗で眩しい。
「マミちゃん、また来てね」
「うん。ありがとう、優子。またね」
 帰り道を一人で歩くマミちゃん。
 赤いランドセルを背負ったその背中は、学校で見せる強気な言動や表情とは裏腹に、とても小さく見えた。


 麗太君と光原君は、よく一緒にいる。
 あと、周りに男の子が数人。
 休み時間には、そのメンバーでサッカーをしている様だ。
 教室のベランダからは、校庭が一望できる。
「麗太、行ったぞ!」
 跳んで来たサッカーボールを麗太君は胸で受け止め、迫って来る相手チームの男の子達を、凄いペースで抜いて行く。
 そして、あっと言う間に点を決めてしまった。
 麗太君って、サッカー上手いんだ。
「優子、いつから男子の生態を観察する様な子になっちゃったの?」
 隣で一緒に試合を見ていたマミちゃんは、いつも通り不機嫌そうな口調で問うた。