それに続いて焦り気味に答える。
「からかわないでよ! そんな話してないから!」
「えぇー? つまんないの。私が皆位の頃は、興味本意でチューとかしてたんだけどねぇ」
「え? チュー?!」
 ママの言葉を聞いた瞬間、頬が熱くなった。
 きっと、かなり赤面している事だろう。
 しかし、マミちゃんと麗太君は先程と変わらず不機嫌そうだ。
 ママはそれを見兼ねたのか、私達に言った。
「食後だけど、お茶にしない? さっき、マミちゃんが持って来てくれたクッキーもあるし」

四人分の高そうなカップに入った紅茶と、先程のクッキーを皿に盛った物を、ママはテーブルの上に並べた。
 普段は紅茶を飲む際に、こんなカップは使わない。
 マミちゃんに対して見栄でも張っているのだろうか。
 皿に盛られた数個のクッキーから一つを摘まみ、口に運んだ。
 美味しい。
 口に広がった甘い味は、以前にママが作ってくれた物と同じ味がした。
 ママや麗太君も、私に続いてクッキーを食べる。
「凄い。私が作るクッキーと同じ味だわ」