出席番号の一番目から順に名前を見てみる。
 五年二組の欄に私の名前がある。
 クラスも少ないせいか、知っている友人の名前ばかりが目に止まる。
「あ、マミちゃんの名前がある! マミちゃんも一緒なんだ!」
 マミちゃん。
 私の幼稚園の頃からの親友で、五年生になった今でも、クラスが離れた事はない。
 きっと毎年、先生がクラス替えの時に気を廻してくれているのだろう。
 そういえば麗太君は……。
 沙耶原麗太。
 男子の番号列を見ると、彼の名前も私と同じクラスの表に書かれていた。
「良かった。麗太君と同じクラスだよ!」
 麗太君も嬉しそうだ。
 しかし彼の声の事や、これからの友人関係を、クラスメイト達はどう受け止めるのだろうか。
 今までの様に会話が出来ない事を考えると、その影響は多大なものに違いない。
 それでも麗太君と出会ってからの短い期間、彼を嫌う様な事はなかった。
 きっとクラスの皆も、彼の事を受け入れてくれる筈だ。