「少し前よ。来てみたらリビングのドアが開いてて、覗いてみたら……」
少しの間を置いて、ママは「キャー!」とわざとらしく黄色い声で叫んだ。
「二人でソファーに座って、テレビ観てるんだもの。なんか、ママが入り込む隙がないっていうかぁ」
「違うよ! そんなんじゃなくて……」
麗太君は、メモ用紙とシャーペンを片手に慌てている。
「まあ、二人とも仲が良いって事よね。そうでしょ?」
私達二人の頭を、ママはグシャグシャと撫でた。
「うん!」
麗太君も、私に合わせて頷いた。
「そういえば、これって新しい仮面ライダーでしょ?」
テレビに目を向けたママが、麗太君に訊いた。
仮面ライダーという特撮ヒーローの話題を振られた事が嬉しかったのか、麗太君は嬉しそうに頷く。
「え? 仮面ライダーって、昭和のヒーローなんじゃないの?」
「そんな事ないわよ。平成になっても続いてるのよ。こう見えてもママは、昭和の仮面ライダーと平成の仮面ライダーを網羅してるの!」
胸を張って自慢げに語るママに、麗太君は輝かしい眼差しを向け、何かの書かれたメモ用紙を見せる。
『クウガ、アギト、龍騎、555、ブレイド、響鬼、カブト、電王』
メモ用紙に書かれた単語を見て、私は目を丸くする。
「これ何?」
「ああ、平成の仮面ライダーの名前ね!」
ママは彼の手を握り、一気に体を抱き上げた。
「気が合って嬉しいわ! 私はね、平成の中だとカブトが一番好きなの! 主人公役の水嶋ヒロ君。格好良かったわぁ!」
仮面ライダーカブトこと水嶋ヒロを、麗太君に熱く語るママが……二人がどこか遠く見えた。
ただ、話に付いていけないだけ、という事もあるけれど。
そういえば、私が幼稚園の頃の事だ。
私に見せる為にと言って、ママが仮面ライダーのDVDをレンタルして来た事があったっけ。
それで、仮面ライダーが気に入らなくて、なんだか凄く感じの悪い事を言った様な気がする。
いったい、何を言ったんだろう……。
記憶が曖昧過ぎて、思い出す事が出来なかった。
少しの間を置いて、ママは「キャー!」とわざとらしく黄色い声で叫んだ。
「二人でソファーに座って、テレビ観てるんだもの。なんか、ママが入り込む隙がないっていうかぁ」
「違うよ! そんなんじゃなくて……」
麗太君は、メモ用紙とシャーペンを片手に慌てている。
「まあ、二人とも仲が良いって事よね。そうでしょ?」
私達二人の頭を、ママはグシャグシャと撫でた。
「うん!」
麗太君も、私に合わせて頷いた。
「そういえば、これって新しい仮面ライダーでしょ?」
テレビに目を向けたママが、麗太君に訊いた。
仮面ライダーという特撮ヒーローの話題を振られた事が嬉しかったのか、麗太君は嬉しそうに頷く。
「え? 仮面ライダーって、昭和のヒーローなんじゃないの?」
「そんな事ないわよ。平成になっても続いてるのよ。こう見えてもママは、昭和の仮面ライダーと平成の仮面ライダーを網羅してるの!」
胸を張って自慢げに語るママに、麗太君は輝かしい眼差しを向け、何かの書かれたメモ用紙を見せる。
『クウガ、アギト、龍騎、555、ブレイド、響鬼、カブト、電王』
メモ用紙に書かれた単語を見て、私は目を丸くする。
「これ何?」
「ああ、平成の仮面ライダーの名前ね!」
ママは彼の手を握り、一気に体を抱き上げた。
「気が合って嬉しいわ! 私はね、平成の中だとカブトが一番好きなの! 主人公役の水嶋ヒロ君。格好良かったわぁ!」
仮面ライダーカブトこと水嶋ヒロを、麗太君に熱く語るママが……二人がどこか遠く見えた。
ただ、話に付いていけないだけ、という事もあるけれど。
そういえば、私が幼稚園の頃の事だ。
私に見せる為にと言って、ママが仮面ライダーのDVDをレンタルして来た事があったっけ。
それで、仮面ライダーが気に入らなくて、なんだか凄く感じの悪い事を言った様な気がする。
いったい、何を言ったんだろう……。
記憶が曖昧過ぎて、思い出す事が出来なかった。

