掃除が終わった後に由美と二人で学校を出た。
 もうじき冬という事もあり、空はもう夕暮れ色に染まっている。
 連中は先に学校を出て、私達を近くの公園で待っているそうだ。

 公園には、土管型の遊具や、ブランコ、すべり台がある。
 ここに来たのは先日、学校をサボった時以来だ。
 普段、この公園には誰もいない。
 すっかり廃れてしまっていて、遊具もペンキの塗装が剥げ、寄り付く子供がいなくなってしまったからだ。
 おまけに住宅街からも離れていて、人の通りも少ない。
近いうちに撤去され、駐車場になるという話を聞いている。
 土管の上に、連中が座って私達を待っていた。
 三人が降りて来る。
「ありがとう、由美」
 由美を含めて四人が、私を半円に囲む。
「マミちゃん……ごめんね……」
「私……何でも出来る子が、ただ羨ましかっただけなの! 許して!」
 一人が泣き出す。
「私……本当に……ごめんね。……マミちゃん……」
 泣いている……。
 とりあえず、もう私に危害を加えないのならそれでいい。
 この連中と関わるのも、今日を最後にすればいい事だし。
「うん……。もう何もしないっていうんなら、それで……」
 一人が私にアイスを差し出す。
 棒状のアイスの真ん中を折って、半分こにして食べる物だ。
 その半分。
 紫色のブドウ味。
「受け取って。一緒に食べよ」
「……うん」
 これで仲直り……というわけか。
 もう十一月だが、やっぱりアイスはいつ食べても美味しい。
 夏場には、これと同じ物を駄菓子屋でよく食べたものだ。
 由美は、ホッと安心したように微笑んでいる。
 こんな彼女の表情を見たのは久しぶりだ。
 しかし次の瞬間、その表情は困惑へ変わる。
 一緒にアイスを食べていた一人が、私の手を強く叩き、アイスを地面に落した。
 空気が凍り付く。
「あーあー、落としちゃったぁ」
「やっちゃったぁ」
「本当に性格、悪いんだね」
 笑っている。