「神様わね、いつもマミの事を見守ってくれているの。マミが良い子にしていれば、神様は喜んでくれる。きっと神様はマミにご褒美を与えてくれるわ。だから、神様に微笑んでもらえる様な、立派な子になりなさいね」
 小学校へ入る前、お母さんは私に度々そう言っていた。
 私の家の家系はクリスチャンで、日曜日になると必ず、お母さんとお父さんと私の三人で教会のお祈りに参加した。
 いつからだろう。
 お母さんとお父さんが、私と一緒にお祈りへ行ってくれなくなったのは……。

  =^_^=

 夏休みが終わっても、鬱陶しい夏の暑さは、まだまだ留まる事を知らなかった。
 今日は小学五年生二学期の始業式。
 たった三時間の授業を終えて下校。
 行く意味がない。
 でも家にはいたくない。
 だから私は学校へ行った。


「あの態度がムカつくんだよねぇ」
「あ、それ分かる。なんか見下してる感じがするっていうかぁ」
「そうそう。ちょっと顔が良くて、先生からの評判が良いからって。いつも一緒にいるけどきっと、内心では優子ちゃんの事、見下してるに決まってるよ」
 クラス内の数人の女子が、そんな事を密かに話しているのを偶然にも聞いてしまったのは、今年の夏休みが始まる少し前だった。
 きっと話の話題は、私に関した事だ。
 あの数人の女子は、クラス内の女子の中では気の強い方のメンバ―だ。
 その中の一人、見知っている顔がいる。
 愛想笑いで皆の話に合わせている子、私の方を申し訳なさそうにちらちらと見ている。
由美だ。
 由美は私や優子以外にも、構わず誰とでも話せる様な子だ。
 でも、逆に苦労する事もある。
 見下した態度……か。
 別に私は誰かを見下している訳ではない。
 その人自身と関わる事で、私にどんな影響があるのかを見極めているだけだ。
 とは言ったものの、関わりたくない人と友人の区別はしっかりと出来ている。