やがて、椅子やテーブルを叩く音が止んだ。
「辛いのは麗太君だけじゃないの! 私も辛いのよ。でも、過ぎた事はどうにもならない。だから……」
麗太君を宥める為の勢い付いた声は、やがて弱々しい泣き声の様なものに変わった。
「だから、あなたはこれからの事を考えるの。過ぎた事は……どうにもならないんだから……」
ママと麗太君は、このドアの向こうで泣いている。
麗太君のママを、親しい仲と捉える事が出来ず、あの二人と共に悲しむ事が出来ない自分が、嫌でしょうがなかった。
部屋に戻り、ベットに飛び込み枕に顔を埋めた。
なぜか、麗太君に関する悩みが次々に浮かんでくる。
私は、これから麗太君にどう接していけばいいんだろう。
麗太君と、どうやって会話をすればいいんだろう。
これから麗太君は、私を頼れる同居人として受け入れてくれるだろうか。
「あー、もう! どうして、こんなにモヤモヤするの!?」
部屋の中で、一人で叫んでみても何も変わらない。
麗太君と二人で話をしないと。
ふと、階段を上がる足音が聞こえた。
階段を上がり切ったその足音は、一番奥の部屋へ向かって行った。
この足音は、麗太君だ。
その事を確信するなり、私は先程のメモ用紙の束とシャーペンを持って、彼の部屋へ向かった。
「辛いのは麗太君だけじゃないの! 私も辛いのよ。でも、過ぎた事はどうにもならない。だから……」
麗太君を宥める為の勢い付いた声は、やがて弱々しい泣き声の様なものに変わった。
「だから、あなたはこれからの事を考えるの。過ぎた事は……どうにもならないんだから……」
ママと麗太君は、このドアの向こうで泣いている。
麗太君のママを、親しい仲と捉える事が出来ず、あの二人と共に悲しむ事が出来ない自分が、嫌でしょうがなかった。
部屋に戻り、ベットに飛び込み枕に顔を埋めた。
なぜか、麗太君に関する悩みが次々に浮かんでくる。
私は、これから麗太君にどう接していけばいいんだろう。
麗太君と、どうやって会話をすればいいんだろう。
これから麗太君は、私を頼れる同居人として受け入れてくれるだろうか。
「あー、もう! どうして、こんなにモヤモヤするの!?」
部屋の中で、一人で叫んでみても何も変わらない。
麗太君と二人で話をしないと。
ふと、階段を上がる足音が聞こえた。
階段を上がり切ったその足音は、一番奥の部屋へ向かって行った。
この足音は、麗太君だ。
その事を確信するなり、私は先程のメモ用紙の束とシャーペンを持って、彼の部屋へ向かった。

