麗太君は光原君やクラスの男の子達と。
 何やら優子と麗太君は祭りの最中に、こっそり合流するらしいとの相談を、二人は出掛ける前にしていた。
 面白そうでいいなぁ。
 私はというと、まず啓太郎の店に集まって、それから先はテキトウニ考えようとの事。
 まあ、毎年そんな感じだけど。
「ママ、浴衣やって」
 隣の部屋から優子が私を呼ぶ。
 かなり焦っている様だ。
 マミちゃんとの約束の時間まで、あと僅かだし。
 麗太君は既に家を出ているし。
「あーあ、これは酷いなぁ」
 帯の巻き方はめちゃくちゃだし、せっかくの青いアジサイの綺麗な浴衣は、はだけちゃってるし。
「浴衣くらい、自分で着れるようにならないとダメよ」
 優子の体に手を回し、浴衣を着せる。
 帯を小さな腰に回し、しっかりと締めた。
「これで、よし!」
「ありがとう!」
 小走りで玄関へ向かう優子を見送った後、家の戸締りをして、少しだけ時間を置いてから家を出た。
 家の前の小さな通りには、露店や提灯はないものの、いつも以上に人の通りは多い。
 やっぱり、お祭りだから。

 啓太郎の店は、いつも以上に客が入っている。
「香奈さん、こっちこっち!」
 バーカウンターを挟んで、啓太郎と香奈は楽しそうに話していた。
 二人の元へ行き、博美の隣に座る。
「結局、集まったのはこの三人だけね」
「その分、私達で楽しみましょうよ」
「そうだよ。祭りは始まったばかりなんだからさ」
 楽しそうに笑っている。
 内心では寂しい筈なのに。
 去年までは五人いた筈の友人が、私を含め三人だけになってしまうなんて。
 悲観していても仕方がない。
 今日は三人で楽しもう。
 折角のお祭りなんだから。

 啓太郎は店を彼女さんに任せ、私達とお祭りへ赴いた。
「啓太郎の事、よろしくお願いしますね」