二つの世界、分かつ門

轟音にまみれた中でも、少女はきいた。

掴んでいたたずなを、強く握りしめる。
大粒の涙が、頬を、拳を、瞳を濡らす。

少女は大きく息を吸い込む。
そして叫んだ。
今までにないほど、強く、切実にーーー。

「生きてーーーーーーーッ‼」




そして少女は、愛しい人との約束を胸に城をあとにする。
もう、振り返ることは無かった。