「生きろっ‼」 地獄絵図を切り裂いた、切なる叫び声。 それは、真っ赤に染まる己の城ーーー己の“国"の城を、震える眼で見つめる少女にむけたものだった。 「逃げて、生き延びるんだ!君だけでも・・・っ!」 少女のもとへ行こうとするも、青年は、後ろから襲いかかってくる敵にそれが許されない。 「く・・・っ!」 逃げろ、アゼルダ・・・! 青年は、目の前の醜い敵ーーー“悪鬼"の眼球に、涙を流し、震える彼女を見た。 ・・・愛しい命を、ここで終わらせはしない‼ 「行け!早く‼!」