時折立ち止まってはキョロキョロと辺りを見回し、再び歩く生徒は葉也。

どうやらはぐれてしまった友人を探しているらしい。

「おーい、そこの貴方」

「む?」

「そうそう、そこのポニーテールの」

ケーキの皿とフォークを手にしたまま、天眞は葉也に歩み寄る。

「帯剣している人が歩き回っているから、つい声かけちゃった。私も剣道してるからさぁ」

「ほぅ…お前もか」

葉也は微笑む。

「黒部 葉也という。はじめましてだな」

「私は玖宮 天眞よ。よろしく」