月と穹の間に緊張が走る。

「正体不明、誰にも思考が読めない唯一の生徒、文野 穹…考えている事が読めないというのは、これ程有利に展開する事はないわ。何をしでかすかわからない相手ほど、恐ろしいものはいないもの…その点…」

月が不敵に笑う。

「誰の心でも読める私を亡き者にすれば、貴方のこの学園での地位は確固たるものとなる。そうでしょう…?」

「…………誤解ですよ、僕にはそんな野望は毛頭ありません…」

言いつつ、頬に汗を浮かべる穹。

一触即発の雰囲気が流れる中…。