と。

「……」

お嬢様に叱られたと思ったのか。

遡雫の瞳に涙が浮かぶ。

うるうるとした瞳でお嬢様を見つめ。

「食べちゃ…駄目なの…?」

「う゛…」

流石のお嬢様も、遡雫の可愛らしい瞳で哀願されては言葉を失う。

「お嬢様」

二宮が言う。

「食材の方は天神学園全校生徒分の倍以上の量を準備しております。遡雫様が多く召し上がられても、全く問題はないかと」

「お嬢様、私からもお願いするよ」

玲菜が言う。

「遡雫はこの日の為に一週間も食べていないんだ…しっかり食べさせてあげると嬉しい」