その隣で。

「前菜でございます」

二宮の置いた皿をまじまじと見て。

「これだけぽっちじゃ足りない…もっと大盛りがいいな…」

ポツリと呟くのは遡雫。

彼女の足元に座っていた柿ピーも同意するように吠える。

「この前菜、10人前下さい…柿ピーの分も10人前…それからお土産にも10人前…」

「遡雫さんは図々しすぎですわっ!」

お嬢様がまくし立てた。