一方その頃、和食のコーナー。

「お、いたいた!おぉい冬月ぃっ!」

ドテドテとぬいぐるみの身で冬月に駆け寄ったエリザベスは。

「っ!!」

いきなり鼻先に抜き身の蜘蛛切を振り下ろされる!

あ、ちょっと鼻先が切れて綿が飛び出した。

「あぁ、何やの、エリザベスはんやおまへんか。気安ぅ呼んで近づいてくるから、溝出か思うて刻みそうになったやおまへんの」

それは、溝出だったら躊躇なく刻んだって事?

「で、何の用どすか?アモルはんやったらオードブルのとこおりましたえ?」

「いや、そうじゃなくてだな…」

鼻を押さえたまま、エリザベスは先程交わしたばかりの溝出との契約を冬月に話す。

「ほぉう…」

興味深い話を聞いた。

そう言わんばかりに、冬月の狐面の下の顔が喜色に歪む。

そして次の瞬間!

「ぎゃひぃいぃぃいっ!」

先程冬月が食べた団子の串数本が、エリザベスの手足に突き立てられて床に磔にされる!

「ふふふふふ冬月、何を!」

「いやぁ…前にアモルはんが、エリザベスはんを木に括りつけて釘突き刺してスキンシップしとったの見てましてん」

あれはスキンシップだったのか。

狐面を僅かにずらし、串にレロッと舌を這わせて。

「僕もやってよろしおすか?…釘やのぅて申し訳ありまへんけど…」

冬月は嗜虐的に口元を緩ませた。