改めて、制服のポケットから招待状を取り出す。

念の為にこの招待状を、ロシア当局に送って鑑定してもらった。

結果は素人丸出しの生徒の作ったもの。

特に悪意ある筆跡の偽造やら特殊な処理はされていなかった。

差出人を匿名にしたのだって、大した理由はないのだろう。

ただゲリラ的にイベントを始めたいだけだった。

それだけの理由だ。

それなのにエージェントとしての悪い癖か、事件性を感じて、いつもバイオリンケースに入れて持ち歩いている愛銃のドラグノフまでパーティー会場に持ち込んでしまうなんて…。

(犯人探しする気にさえなれないわ…)

まだ平和な学園生活に慣れていないのだろうか。

アリスカは一人苦笑した。