一気にコーナーに詰め寄った藤原翁は。

「ひょひょーっ!」

歓喜に声を上げる。

「『越乃寒梅(こしのかんばい)』に『雪中梅(せっちゅうばい)』に『峰乃白梅(みねのはくばい)』!新潟県の三大銘酒『越の三梅(こしのさんばい)』が揃っとるじゃないか!あっちには北海道の『熊古露里(くまころり)』、こっちには『北海鬼ころし(ほっかいおにころし)』、うお!『くどき上手』に『三百年の掟やぶり』!」

子供のように目を輝かせる藤原翁。

「ここは酒飲みには宝の山じゃないかっ!」