「はい、着いたよ」

「ありがと・・・。」

「じゃあ明日!じゃあな、深夢」

ドキッ

「えっ・・・」

今、呼び捨てだったよね・・・

ドキ ドキ ドキ

心臓がうるさい・・・

なんで、あんな人にドキドキしてるの・・・

恋はしちゃダメ・・・

傷つくだけ。

あの人は、私を利用しようとしてるだけ。

だから、恋なんかじゃない・・・。

「ただいま・・・」

「おかえり」

「お父さん、何食べたい?」

「深夢の好きなやつでいいよ」

「わかった」

私の家は、父子家庭。

母親が他に男を作って、どっか行ってしまった。

家事は全て私がしている。

だから、私がいくら悪い事をしたってお父さんは一切怒らない。

「今日、学校サボったんだってな」

ドキッ

「勉強もたまにはしろよ」

ほら・・・

「うん」

私は心配されてない。

私を必要としてる人間なんていないんだ。