白い翼と…甘い香り


「俺たちは
悲しい恋を、してんの?」

「……」

「出会わねぇ方が良かった?」

「それは、違う」

「寂しい?」

「寂しくなんか無いわ。
もう、和也に
出会ったんだから」

「間違ってる?」

「間違って、ないと思う」

「悲しい?」

「ううん、悲しくもないよ」

「………」

「………」



何を聞きたいのか
何を伝えたいのか

お互いが、それさえ
分かってないような
迷う会話を交わして

和也はそっと
抱き寄せる。



抱き締めて
暖かさを
伝え合う以外に

方法が
分からないような

少し切ない
瞬間だった。





「俺が悪いって
そう割り切れよ…」

「……??」

和也が何を言いたいのか
意味が分からなかった。


「幸せだったかどうか別にして
リカの生活は、平穏だった。

それを、壊したの俺だから…

俺のせいだって
割り切っちゃえばいいよ」


「そんなの…」



どうして?と
和也のくれる言葉に
胸が詰まる。

一杯になってしまって
言葉が出てこないよ…


その言葉に
甘えようなんて気持ちは
少しも無いけど

上手く想いを
伝えられない。


声を出せば、

泣きそうで…