「だってさぁ
お姉さんヒマそうじゃん

それに
1人で食っても美味くねぇし」


「じゃあ
誰かお友達でも呼んだら?」


ヒマそうじゃん?と言われて
少しムッとした。

何にも知らない人に
そんな事は言われたくない。


だから、それ以上は何も言わず
ドアを締めようとした。



慌てた彼は
ドアに足を挟むようにして

私の手を掴んだ。


それが
一瞬の出来事で素早くて

アッという間にドアの外へ
引っ張り出された。


オートロックのドアは
容赦なくガシャンと
音を立てて締まる。



「カギ!
持って出てないのよ?
締まっちゃったじゃないっ」


「ゴメン、もう少し

話したかったんだ…」




素直に
ものすごく真っ直ぐに
私を見て

「ゴメン」と言った。



この瞬間に

恋をしたのかも

知れない…