「部屋の明かり消して
暗くしたら
星も夜景も
キレイに見えんじゃね?」
そう言うと
部屋の明かりを消してしまう。
「何も見えない
小さな明かり付けてよ」
アハハと笑いながら
床に置いた小さな照明を点けた
「それ、ライトだったの?
置物かと思ってた」
花瓶のような壺のような
面白い形をした
ガラスと陶器が混ざったような
半透明の長丸い形で
無造作に床へ置かれていた。
今は、淡い柔らかな光が
ぼんやりと灯っている。
和也には
こんな明かりが似合うなんて
そんな事も思ったりする。
ぼんやりと灯る明かりの中に
柔らかな表情の
和也が浮かび上がって
ものすごく
キレイだったんだ…
とても力強く生き生きと
迷いなく生きてるように
思える和也が
少し儚げに
見えたりする。
そんな部分に
惹き付けられるのかな…?
ベランダには小さなテーブルと
ベンチが置いてあり
夜だけどまだ少し暑かった。
それでも
自然な風は気持ちいい。
2人で並んでベンチに座り
暑いねって言いながら
熱いコーヒーを飲む。
カップを置き、手摺りから
夜景を覗き込んで見た。
星がキレイで、でも月は
三日月でもっとキレイで
高層マンションから見る夜景も
それに負けないだけ
キレイだった。

