記憶にはないけど
空を飛ぶ鳥を見るのも

自由に流れていく
雲を見てるのも

空が天気を
変えていく様子も

何もかも自由すぎて
悔しくて

切ないけど
大好きだった。


だから私は1日に
何度もベランダへ出て
空を眺めてた。



雨の日は
空も一緒に泣いてるみたいで

大好き…


夕焼けも
何かが終わる時間みたいで

キレイだけど
私には諦めの色に見える。



和也はその様子を
しばらく見ていたと言う。

その時から、話したいと
思っていたって…

どうして、そんな顔で
空を見上げてるのか
聞きたかったって…

そんな事を
教えてくれた。



その後も
何度か荷物を運び込みながら

その度にベランダが気になって
何度も覗き込むように
見てたんだ…って

はにかむような顔で
話してくれる。



1度は、マンションの横にある
公園で見掛けた

でも、遊んでる子供や
散歩してる犬を見ながら

ぼんやりベンチに
座ってただけだった。



あの時も
笑ってなかったね…

小さな子供を見ながら
泣きそうな顔してたね…


ポツポツと
そんな事を教えてくれた。


だから
理由なんか分からないけど

どうしても話がしたくなって
気になってしょうがなかった。