香水の瓶を握り締めてしばらく
ぼんやりしてたかも知れなくて

「デンワ、ナッテマス、ヨ?」

青い目が私を覗き込むように
見ていたから、現実に戻った。


「電話…?」

「アナタノ、カバン」

そう言われてやっと自分の
携帯が鳴っている事に気付いた


メールではなく
着信音。

名前を見ると
主人からだった。


早く帰ってこいと
痺れを切らしている事は
分かる

パーティーに
間に合わないものね。




だけど私は

その電話を

無視した。




「デナクテ、ヨイデスカ?」





「大事なモノが分かったから

もう、いいの…」