白い翼と…甘い香り


「ワタシノ、コウスイ?」

「そう、何と言う名前で
どこへ行けば買えるのか
教えて下さい」

彼は納得したように笑って

「オヤスイ、ゴヨウデス」

と、何だか少し変な発音の
日本語で答えてくれた。

「ワタシ、イマ、モッテマス。
コレ、マチガイ、ナイデスカ?」

少し大きな鞄の中から
取り出して見せてくれる。

「キノウカラ、シュッチョウ、ネ
ソノママ、モッテルヨ」

そう言って笑う声さえ
耳に入らないほど

私の目はその小さな瓶に
釘付けになる。


何度も見た
キレイに透き通った
金色に見える液体

ピカピカしたシルバーの
四角い蓋

和也のは中身がもっと
減ってたね…


私が
あちこちに吹き付けたりして

部屋中に
和也の香りがするって喜んだら

笑いながら
「中身が減るだろっ!」
って取り上げた。

取り上げた後
ゆっくりと抱きしめて

「リカはカーテンに
抱きしめてもらうつもり?」
って笑ったね。


「いつも香ってくるぐらい
近くに居たらいいじゃん」

そう言って
何度も何度も、腕を絡めた。